お遍路の旅

お遍路と巡礼

「巡礼」は、お遍路と同様、参拝のために札所や霊場などを、旅をしながら巡ることをいいます。

 

巡札で巡る札所や霊場は全国各地にありますが、なかでも、近畿地方と岐阜県の33箇所の観音霊場を巡る「西国三十三ケ所」、神奈川県から東京・埼玉・群馬・栃木・茨城そして千葉県の33箇所の観音霊場を巡る「坂東三十三ケ所」、埼玉県秩父地方の観音霊場を巡る「秩父三十四ケ所」が有名です。

 

この、西国・坂東・秩父をあわせて「日本百観音」といわれ、その結願寺は「秩父三十四ケ所」の三十四番水潜寺です。結願後は長野の善光寺へ参ることが慣例となっています。

 

お遍路は、巡札のうちでも、特に弘法大師の足跡を巡って参拝をする旅のことを指して言われています。

 

巡札とお遍路では、参拝の方法が少し異なります。

 

お遍路では、弘法大師の化身または分身とも言われる金剛杖と呼ばれる杖を持って巡る方が多いのですが、巡札では特に杖は必要ありません。歩き続けるために必要な人は持って歩きましょうという程度のものです。また、白衣の背文字も観音様の文字が書かれるか、もしくは背文字無しとなります。

 

札所や霊場での参拝時に唱えるお経も異なります。お遍路では、開経偈、般若心経に続き、御本尊の真言、弘法大師様の真言などを決められた通りに、順に唱えます。

 

巡札では、それぞれに宗派が違うことから、決まったお経というものはないようです。多くの参拝者は般若心経、もしくはそれに加えて十句観音経を唱える方もいらっしゃいます。