お遍路の旅

お遍路の順番

札所には一番から順に番号が付いていますが、必ずしも順番どおりに巡拝しなくてはならないというわけではありません。

 

お遍路道は環状になっていますので、それぞれ住んでいる地域や巡拝の手段などで旅の基点は変わってきます。

 

八十八ケ所の札所は、弘法大師が密教の曼荼羅の世界を投影したという思想から、それぞれを「発心」・「修行」・「菩提」・「涅槃」の道場に分けられています。「発心の道場」の最初となる一番札所を基点として旅を始められる方の数が多くなるのは、そのためです。

 

・発心の道場
阿波の国、今の徳島県にある札所23箇所をいいます。
発心とは、菩提を求める心を起こすことを指します。
お遍路を思い立った人たちにとっては、発心が始まりの道場となります。

 

・修行の道場
土佐の国、今の高知県にある16箇所の札所のことです。
弘法大師の教えにある修行とは、難行苦行の修行ではなく、心身ともに仏道を身につけて善行を積むといったことを指します。

 

・菩提の道場
伊予の国、今の愛媛県にある26箇所の札所になります。
菩提とは、あらゆる煩悩を断ち切り、不生不滅の理を悟って初めて得ることができるといわれています。
発心、修行の道場を経て、たどり着くのが菩提です。

 

・涅槃の道場
讃岐の国、今の香川県にある23箇所の札所のことです。
菩提を経て、一切の煩悩を滅ぼし解脱の境地に立つこと、それが涅槃といわれています。
香川県下には弘法大師ゆかりのお寺がたくさんあります。