お遍路の旅

お遍路の打ち方

札所を参拝することを「打つ」と言います。これは、納札が木でできていた昔は、札所の本堂や大師堂の柱などに納札を打ち付けていたことからきています。今では、納札は紙製になりましたので「打つ」姿は見られなくなり、言葉だけが残りました。

 

札所を参拝して回る、その回り方を「打ち方」といい、下記のように分けられます。

 

【順打ち】
一番札所から札所の番号順に回ることを「順打ち」といいます。

 

【逆打ち】
順打ちとは逆に、八十八番札所から回る打ち方です。
逆打ちをすると、弘法大師に会うことができるといわれています。
これは、昔、四国に住んでいた衛門三郎という強欲非道の人が、我が子を亡くすという天罰を受けたという故事からきています。
八人の我が子を亡くした衛門三郎は、過去の過ちを償い、弘法大師に許しを請うために、弘法大師の後を追う旅を始めました。
これが最初のお遍路であるとも言われています。
四国を二十度回っても弘法大師に出会うことの出来なかった衛門三郎は、弘法大師が行かれた方向とは逆の方向から回れば、必ずいつかは弘法大師に会えると考え、逆の方向から旅を始めました。
途中、疲れきって倒れた時、目の前に弘法大師が現れました。
ようやく許しを得た衛門三郎は、そのまま息を引き取ったとされ、これが逆打ちの所以とされています。
逆打ち一回は順打ち三回分の功徳やご利益があるとも言われています。
ただし、順打ちに比べて道が険しく困難な道のりであるため、この打ち方をするお遍路さんはあまりいません。

 

【通し打ち】
八十八ケ所の全部の札所を一度に巡拝することを「通し打ち」と言います。

 

【区切り打ち】
札所を自分の任意の分け方で分けて回る打ち方です。
回る札所の数も、順番も、自由に決められます。
多くの方は2~3日など数日間ずつの予定で回られているようです。
ツアーなどを利用する方法も、この「区切り打ち」になります。

 

【一国打ち・一国参り】
一県を一国として、一県ずつ回っていく打ち方です。
回る順番を自由に決められるところは、「区切り打ち」を似ています。